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同じ内容なのに印象がガラリと変わる文章 [雑文]

 『虐待』
 ある冬の午後、コンビニのスモークスタンドでタバコを吸っている私の足元に、震えながらよろよろとした足取りで薄汚い小動物が近づいてきた。
その小動物は目をつぶり私の足に薄汚い顔をこすり付けてきた。
 私は即座に「この小動物を虐待してやろう」と思い立った、私はこのテの小動物を虐待するのが趣味であった。
持っていた鞄の中からタオルを取り出し、周囲に見られないように小動物をぐるぐる巻きにしてアジトへ向かった。
 タオルから開放された小動物は見慣れない部屋の風景と匂いに怯えきっていた、私は部屋の片隅の機械のスイッチを入れ、戸惑う小動物を気密性の高い小部屋に連れ込んだ。
 タオルをかぶせ自由を奪い、足のほうからじわじわとお湯を浴びせる…暴れる小動物を押さえつけ、執拗にお湯を浴びせ続けた。
毛の根元まで濡れそぼり、細り情けない姿になった小動物は抵抗をやめた…私は傍らに置いてある黄色くどろりとした化学薬品のボトルを手に取り、おとなしくなった小動物に塗りたくった。
小動物はそれでも弱々しい抵抗を試みたが私は冷徹に全身をくまなく化学薬品まみれにしてやった。
仕上げにもう一度お湯攻めにし、無抵抗になった小動物を布でこすり、さらには温風を吹きつけ責め続けた。
 第1の虐待が終わり、ホットカーペットの上でぐったりと体を横たえる小動物を横目に私は第2の虐待の準備を始めた。
 冷蔵庫から取り出した容器から鍋に白い牛の体液を移す、この大型動物の体液を小動物に飲ませるのだ。
しかも一度暖めた体液をあえて冷まし、ぬるい体液を飲ませてやる。
さらに一緒に魚や鳥の死肉を練りこみ乾燥させた小さな粒も食わせてやる。
 意識を失っていた小動物をつついて覚醒させ、目の前に皿に入れた牛の体液と死肉の粒を置いた。
皿の中に顔を突っ込むように食らい、飲む小動物の哀れな姿をニヤニヤしながら眺めた。
 第3の虐待はムチだ、先に毛のついたムチを振るい小動物を弄ぶ。
走り、跳び、転び、引っかく…小動物はあらゆる必死の抵抗を続け自ら体力を消耗させていった。
とうとう小動物は体力を使い果たし、その場にぐったりと体を横たえた。
 私はダンボールにタオルを敷き詰めただけの粗末な箱にその小動物を押し込み、下卑た笑いを顔に浮かべながら小動物を見下ろし続けた。

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 『世話』
 ある冬の午後、コンビニのスモークスタンドでタバコを吸っている私の足元に、薄汚れてしまい寒そうな猫がすり寄ってきた。
「かわいそうだな」と思った私は持っていたタオルでそっと包み、家に連れ帰った。
私はこういうかわいそうな猫を見ると世話をせずにはいられないたちなのである。
 家に着くと猫は見慣れない私の家に戸惑っていたが、まずは綺麗にしてあげようと湯沸かし器のスイッチをいれ猫を風呂場へと連れて行った。
 猫が暴れないように丁寧にタオルで包み、足元からシャワーのお湯に慣らす様にしながら全身を暖めていった、気持ちが良くなったのか大人しくなった猫に、いつも猫たちのために置いてある猫シャンプーで汚れた体を隅々まで洗った、なれないシャンプーに最初は驚いた様子だったがすぐに落ち着いたようだった、シャンプーが残らないようにしっかりと先ほどより少し暖かめのお湯で洗い流し、水気をタオルで拭いてファンヒーターの効いた居間に移してドライヤーで乾かした、水が嫌いな猫にしては意外と大人しく「この子はいいこだな」といとおしさがこみ上げてきた。
 一息ついた猫はホットカーペットの上で静かな寝息を立て始めていた。
 私はそれを幸せな気分で横目に見ながら牛乳を暖め適度に冷まし、常備のキャットフードをお皿に準備した。
 幸せそうな寝顔を邪魔するのは忍びなかったが、小さくゆすると猫は目を開けて、目の前に置いた牛乳とカリカリに飛びついてきた。
一心不乱においしそうに食べ、飲む猫の姿を見ているとホンワカとした幸せな気持ちになり、ついにこやかに眺め続けてしまった。
 猫のおなかが落ち着いたころを見計らって、食後の運動のために猫じゃらしを用意した。
 猫は初めて見る猫じゃらしに夢中になって走り、跳び、転び、引っかくと…力の限り遊んでくれた。
私の腕も傷だらけになったが、遊びつかれてその場にすやすやと寝入った猫の幸せそうな寝顔に癒された。
 ダンボールにタオルを敷いただけの簡単なベッドだったが、猫を起こさないようにそっと移してあげるとにっこりと笑ったような気がした。
 私は飽きもせずにその猫の幸せそうな寝顔をいつまでもニコニコと眺め続けていた。

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 まったく同じ内容なのに表現の違いで、これだけ印象が違います。(ちょっと大げさに書いていますが)
ちなみに原典は携帯で見つけた面白文章から、表現を少々変更して記事にしたものです。

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んたこちゃん

猫のかわいい写真を見せてくださって
ありがとうございました。
毎日あなたのブログの猫ちゃんたちと会うのを楽しみにしているのです。
私も2匹飼っていますが、
後から来た子が
前からいる子にすりすりして、
とうとう自分を受け入れさせましたよ。
多頭飼いは猫の社会もできるので、
良いのではないかしら。
ブログに写真が載せられるようになったら、
公開するつもりです。
これからもよろしくお願いします。
by んたこちゃん (2008-11-11 00:22) 

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